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学力向上へ検証委発足/沖縄「学テ」最下位
 全国学力テスト最下位の結果を受け、県教育庁は三十日、テスト結果を分析し、新たな学力向上対策を打ち出すための「県検証改善委員会」を発足させた。大学教授や小中高校長、教諭、沖教組委員長、PTA関係者ら十五人で構成。県教育庁で第一回会議が開かれ、委員長に島袋恒男琉球大学教授が選ばれた。残り四回の会合で課題や効果的な取り組みについて検討し、来年三月までに「学校改善支援プラン」をまとめる。
 非公開で行われた会議では、県教育庁の担当者が全国学力テストの結果やこれまでの学力向上対策などを説明。委員からは学力不振の要因として所得格差や授業の在り方などの問題が指摘された。

 島袋委員長によると、(1)「覚える」より「分かる」学習の在り方を学校、家庭、地域でどうつくっていくか(2)自分で考え、動く子を育てていくため、実効性のあるプランをどう提言するか―など議論の方向性を確認したという。

 委員からは「学び、育ちの面で受け身の子が多く、積極的、意欲的な姿勢が弱い」「知識伝達型の授業が活用の弱さにつながっていないか」「学力向上対策の計画、実施、評価、見直しのサイクルがしっかり確認されていない」などの意見が出たという。

 委員会は文部科学省の委託研究事業で、全国学力テストの結果を分析し、取り組みの改善策をまとめるため、各都道府県に設置される。

 委員は次の各氏。

 島袋恒男琉大教授(委員長)、藤原幸男同教授、加藤彰彦沖縄大教授、三村和則沖縄国際大教授、大城進県立総合教育センター教科研修課長、稲垣純一KBC学園・国際ビジネス専門学校長、友知政吉浦添市子ども会育成連絡協議会指導員長、与儀真幸県高校PTA連合会事務局長、與儀幸英北中城高校長、新垣幸枝島袋小学校長、大城徹伊良波中学校長、宮里晋真和志小学校教諭、金武幸代石川中学校教諭、大浜敏夫沖教組委員長、伊波勝雄元嘉手納町教育長(副委員長)。


2007年12月1日(土) 朝刊 27面
日本、数学応用力が10位 読解力は15位に
日本、数学応用力が10位 読解力は15位に

 経済協力開発機構(OECD)は4日、加盟国を中心とする57の国・地域の15歳男女計約40万人を対象にした2006年国際学習到達度調査(略称PISA)の結果を世界同時発表した。


「ゆとり世代」の学力 理数系トップ級転落

 3回目の今回、日本は、すでに2位から6位に転落したことが明らかになっている「科学的応用力」に加え、「数学的応用力」が6位から10位へ、「読解力」も14位から15位へと全分野で順位を下げた。今回の対象は、詰め込み教育からの脱却を狙った「ゆとり教育」で育った世代で、日本が最も得意としてきた理数系で世界のトップレベルから転落したことは、今年度末に改定予定の次期学習指導要領に影響を与えそうだ。

 学習到達度調査は、教科を横断した学力をみるため「国語」「数学」「理科」といった従来の枠組みではなく、「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」の三つに分かれているのが特徴。00年から3年ごとに実施され、今回は「科学的応用力」に重点を置いた調査となった。

 日本での調査は昨年6〜7月に行われ、小学6年から現在の学習指導要領(02年度実施)で学んでいる「ゆとり世代」の高校1年生約6000人(全国185校)が臨んだ。

 今回の結果で深刻なのは、前回までトップグループだった「数学的応用力」と「科学的応用力」が大きく落ち込んだ点。

 「数学的応用力」は、前回と共通出題の48問中40問で正答率が下回り、得点も前回の534点から523点に下がった。台湾が1位、香港が3位、韓国が4位とアジアの国や地域がトップグループをほぼ独占する中、日本は、1位だった前々回と比べて34点も下げた。

 先月29日に順位が公表された「科学的応用力」も前回、前々回ともに2位だったことと合わせ、日本が得意としてきた理数系の低迷が浮き彫りになった。

 同時に今回初めて実施された科学に関する意識調査でも、「科学について学ぶことに興味がある」との質問に、「そう思う」と答えた日本の生徒は50%で57の国・地域中52位、「理科の勉強は役立つ」との回答も42%、56位で、科学への関心や意欲の低さが、順位低下につながった可能性が高い。

 一方、「読解力」でも加盟国平均を500点に換算すると、日本は498点。1位の韓国とは58点差となるなど、韓国、フィンランドなどのトップグループに大きく引き離された。

 文部科学省は前回調査で、「読解力」が8位から14位になったことを受け、「我が国の学力は世界トップレベルではない」との認識を示し、「ゆとり教育」からの転換を目指す次期学習指導要領で、思考力・表現力など言語力の育成や、理数の授業時間増を盛り込む予定にしている。今回の結果について、文科省教育水準向上プロジェクトチームでは「まだ取り組み半ばだ」としている。

(2007年12月5日 読売新聞)


生活リズム崩れる県内の子ども 「学力低下の遠因」 
沖縄の教育関連記事を追いかけています。
横濱学院グループのボランティア活動「沖縄県の学力を全国一にする会」としては、局所治療より根源治療が必要だと考えます。
するとこの記事は非常に興味深く、生活指導部分を強化しなければならないということでしょう。生活パターンのヒアリングと、その改善へ向けたコーチング、個別指導での自立学習能力の伸長支援などが提供できそうです。



以下、引用です。


生活リズム崩れる県内の子ども 「学力低下の遠因」 12月8日11時0分配信 琉球新報


目白大学(東京都)の谷田貝公昭教授(保育学、教育学)と高橋弥生准教授(保育学)の研究室は7日、県子ども会育成連絡協議会(沖子連、玉寄哲永会長)の協力を得て県内小学生の保護者を対象に昨年実施した「生活習慣調査」の結果を公表した。就寝時刻が決まっているのは児童の約25%と低く、生活リズムが崩れている結果がでた。また1989年の前回調査と比べ「生活習慣が身に付いている」状況が全体的に悪化していた。
 調査は2006年6―9月に沖子連に加盟する27市町村の児童953人(男子483人、女子470人)について、保護者に調査票を配布し回答させた。質問は「食事」「排泄(はいせつ)」「睡眠」「清潔」「着脱衣」の基本的生活習慣に関するものと、「自助行動」「社会習慣」「社会規範」「その他」に関する計48項目設けられた。
 項目で「生活習慣が身に付いている」割合が学年で70%を超える項目を「自立項目」とし、各学年の自立項目の数を比較。前回調査で自立項目の数は1年生で37項目、6年生までで40項目だったのに対し、今回の調査では1年生では6項目、6年生までで14項目と、自立項目の数が大幅に減った。自立が早まった項目はまったくなかった。
 項目を「生活習慣が身に付いた」割合(1―6年平均)の高い順に順位付けした結果、児童の生活のリズムを大きく左右する「就寝時間が決まっている」(24・55%)が41位と下位。「寝る時刻」について就寝時刻が午後10時より前の児童が2年生までは70%を超えるが、3年生以上から少しずつ減少し、6年生では約4割となり、多くの児童で睡眠不足が懸念されることが示された。
 「テレビを見る時間が決まっている」と回答した人は5・46%(46位)にとどまった。
 生活習慣が身に付いた割合が30%を切る項目は「身の回りの整理・整頓をするか」(27・07%)、「目上の人に丁寧な言葉を使うか」(23・92%)、「自分の部屋の掃除を自分でするか」(17・42%)など10項目あった。児童のルール順守に関する保護者の懸念も目立った。
 報告書は、(1)親の子育て意識の変化(2)パソコンや携帯電話の普及(3)ゆとり教育の影響―などが生活習慣を身に付けられなくなった原因と考えられるとしている。
 谷田貝教授は生活習慣の悪化について「学力低下とどこかつながっていると推測される。勉強以前の問題があり、この結果を立て直さないと学力向上につながらない」と指摘した。

最終更新:12月8日11時0分


高校でも年間800人が中退
「30人以下学級」実現向け署名活動へ


「30人以下学級」実現を求める県民の会の設立準備会=5日夜、那覇市の八汐荘 県内小中高校での「30人以下学級」実現に向け、教育関係団体が連携して取り組んでいこうと、沖教組や高P連、県子ども会育成連絡協議会(沖子連)などの代表らが参加して「『30人以下学級』実現を求める県民の会」が5日、発足した。今後はさらに賛同団体を呼び掛け、県知事や県議会議長あてに実現を求める署名活動を展開していく。各団体が県議会や市町村議会に個別に陳情書を提出し、訴えていく方針も確認した。
 5日夜、那覇市の八汐荘で設立準備会が開かれ、県民の会発足を承認。共同代表に選ばれた沖教組の大浜敏夫委員長は「子どもとじっくり向き合い、教師が教材研究の時間を確保する上でも30人以下学級は必要」と述べ「教育は未来への先行投資。子どもたちが未来へ大きく羽ばたくために教育環境の条件整備は避けて通れない」と強調した。
 「県民の会」の5日までの賛同団体は高P連、沖子連、県婦人会連合会(沖婦連)、県退職教職員会、県高校障害児学校退職教職員会、沖教組、高教組、連合沖縄の計8団体。県P連は6日に役員会を開き、参加の是非を決定する。県民の会の共同代表には沖婦連の小渡ハル子会長、県P連の諸見里宏美会長にも要請していく方向だ。署名活動は12月議会までに一次集約する計画。
 準備会では、沖教組の山本隆司副委員長が、小中学校の一学級定数が全国に比べて過密な県内の実態を説明。来年度からの30人学級実施へ教育予算の増額などを訴えていく必要性を指摘した。
 参加した代表からは「沖縄は所得も全国最下位で自立経済もほど遠い。人材育成に予算をかけるべきだ」「学力テストの全国最下位も反省すべきでよい機会だ」などの意見が上がった。
 高P連の西銘生弘会長は「高校でも年間800人が中退し、授業についていけない実態がある。基礎基本を低学年でしっかり身に付けるには30人学級が必要。まずは小中で実施し、高校にも波及させたい」と期待した。
 30人学級導入に向け、県教育委員会は7月末に庁内に検討委員会を発足、定数確保の方法や財政負担などについて議論を進めている。同委員会では今年末までに実施計画を策定する予定。県の試算では、小学校全学年に30人学級を導入した場合、648人の教職員増が見込まれる。



(11/6 10:25)


おきなわの学力を全国一にする会
全国学力テスト、沖縄県、全部門で全国最下位。


(琉球新報 10/25 9:36)
沖縄、全教科で最下位 全国学力テスト結果
 文部科学省は24日、小学校6年と中学校3年を対象に学年全員対象の調査として43年ぶりに実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。沖縄県の公立校の平均正答率は国語、算数・数学の各教科で全国平均を約5―15ポイント下回り、すべての教科で全国最低の数値だった。基礎的知識を問うA問題の平均正答率57―77%に対し、活用を問うB問題は48―64%と約20ポイント程度低く、全国と同様、活用力に課題が残った。
 仲村守和県教育長は今回の結果について「強い衝撃を受けている。厳粛に受け止め、県民総ぐるみの学力向上対策を強力に進めたい」と述べ、12月までに行政や有識者、教諭らで構成する県検証改善委員会を設置し、結果分析や対策を検討していく方針を示した。
 県の公立校の平均正答率は小学校国語A76・7%(全国公立平均81・7%)、国語B53・0%(同62・0%)、算数A76・3%(同82・1%)算数B54・3%(同63・6%)だった。中学校は国語A74・3%(同81・6%)、国語B64・0%(同72・0%)、数学A57・2%(同71・9%)、数学B47・6%(同60・6%)で、特に中学校数学はABとも全国平均と10ポイント以上の差がついた。
 中学校は、漢字の読み書きが全国と比べて10ポイント以上も低く、数学でも数と式や数量関係の問題で全国平均と差がついた。
 仲村教育長は結果の要因について「授業の形態や方法、生活習慣などいろいろな要素がある」とし、学力向上対策については「見直すべきところは見直したい」と述べた。多くの設問で無回答率が全国の2倍近い数値であることも指摘。「問題を解いていく粘り強さと意欲が欠けている」と懸念した。
 子どもの学習状況や生活環境調査の特徴としては、授業時間外に普段、全く勉強していない中学生が12・4%と全国の8・4%を上回ったことを問題視。一方で将来の夢や目標を持っている児童生徒が全国平均より高く、勉強や読書が好きな子どもたちの割合も比較的高かったことを評価した。
 検証改善委では今後、各市町村や学校の結果を分析するほか、学校改善支援プランを作成する。県教委は文科省に教諭の加配や予算、委員会への専門官派遣などを要請していく方針だ。
 市町村教委や各学校にも24日午後、文科省からテスト結果が届いた。





(沖縄タイムス2007年10月25日(木) 朝刊 27面 )
衝撃 予想外の格差/学力テスト
 「強い衝撃を受けている」―。全国学力テストで県が最下位の成績となったことに、仲村守和県教育長は落胆を隠さなかった。県教育庁は二十年来、学力向上対策を最重要課題に掲げてきただけに「対策を一層充実させなければならない」と県民総ぐるみの取り組みへ決意を込めた。一方、沖教組の関係者は「学びの質を見直す機会」と話し、学ぶ楽しさを伝える授業の実践を訴え、研究者からは画一的な教育を批判する声も上がった。
 仲村教育長は県の結果を報告する会見で、「すべてにおいて全国平均には及ばない状況」と切り出し、ゆっくりと問題点を確認するように説明を始めた。

 「中学数学ではA問題で14・7ポイント、B問題で13ポイント全国との差が開いている」「無解答率が全国平均の二倍近くある」。突きつけられた課題は少なくなかった。

 しかし、「全国とのギャップが分かったので、逆にいい機会だったんじゃないか。学校、家庭、地域が一体となった県民総ぐるみの学力向上対策を強力に推し進めていきたい」と決意を見せた。

 県教育庁は一九八八年度から学力向上対策に力を入れてきた自負もある。これまでの対策について仲村教育長は「(県独自の)達成度テストの点数は上昇し、大学入試センター試験(の平均点)では十年ほど前から全国最下位を脱出した」と強調した。

 沖教組の山本隆司副委員長は「最下位」の結果を冷静に受け止めた。

 「これまでドリル問題を繰り返すなど詰め込み式の授業で、子どもが面白いと思える本来の学びが実践されていなかった。沖縄は他県に比べAとBの正答率に差があるが、そこにその結果が表れている」と指摘する。

 今後は、「子どもたちをどんな人間に育てるか真剣に考え、学びの質を考え直さなければならない」と訴える。

 「応用、活用的な授業こそ学ぶ楽しさがある。教師がゆっくりと教材研究できる時間を設け、裁量を確保すれば、子どもに物の見方が広がる授業ができる」と提言した。

 一方、県には来年度以降、全国学力テストへの参加を見合わせるという選択肢もある。沖縄大学の加藤彰彦教授は「地域性を無視した全国一律の学力テスト自体に反対」とし、「地方分権で『教育』はつくられるべきで、沖縄と東京では子どもへの期待や状況は違う。各地方ごとに『こんな子を育てたい』と考えるべきで、地域の教育をつぶしてはいけない」と訴え、画一的な教育の在り方を批判した。


家の所得で正答率に差


 二十四日に公表された全国学力テスト結果の学校別分析で、就学援助を受けている子どもが多い学校ほど正答率が低いという傾向が、小中学生に実施したすべての教科で表れた。

 就学援助は生活保護を受けるなど所得が低く、子どもの就学が困難な家庭に、国や自治体が学用品購入費や給食費などを補助する制度。文科省は「割合が高い学校の中には正答率が高い学校もあり、一概には言えない」とするが、統計上は家庭の所得による格差の存在を示した。

 就学援助を受ける子どもが一人もいない学校から半数以上まで、割合に応じ六グループに分類。各グループの半数が含まれる中間層の正答率の中央値を比べる方法で分析した。

 その結果、小学国語Bでは援助を受ける児童がいないグループの正答率は64%。援助を受ける割合が高まるごとに正答率が低下し、半数を超えるグループでは53%となって11ポイントの差が生じた。小学校の他教科でも6―8ポイントの差があった。

 中学校では、援助を受ける生徒がいないグループの数学Bの正答率66%に対し、半数以上のグループは46%。ほかの教科も10―20ポイントの開きがあり、小学校より差が大きかった。

 援助を受ける子どもが半数を超えるグループに分類された小学校は約四百七十校、中学校は約二百七十校で、それぞれ全体の2%を占めている。


[ことば]


 全国学力テスト 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。子どもの学力低下が指摘される中、全国の学力水準状況を把握し、学校現場や教育委員会の課題を明らかにする目的で、文部科学省が小6と中3すべての児童・生徒を対象に実施。学年全員の調査は43年ぶり。参加は自主判断を原則としたが、国立は全校が参加、公立で不参加だったのは愛知県犬山市だけだった。私立校は約4割が参加を見送った。テストは国語と算数・数学の2教科で、それぞれ基礎的知識を問うA問題と活用力を調べるB問題の2種類。学習環境や生活習慣なども調査した。





(毎日新聞 2007年10月25日 東京朝刊)
全国学力テスト:トップ秋田と最下位沖縄、経済格差も影響
 ◇トップ・秋田…20人学級、家庭も安定/最下位・沖縄…高い失業率、余裕なく

 学力の格差が一部の都道府県で著しい実態が浮かび上がった。24日公表された全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果では、最上位の秋田県と最下位の沖縄県で大きく差が出た。経済的な格差、家庭状況が学力に影響しているとみられ、沖縄県の教育関係者からは「戦後置かれた状況は、本土とは異なっておりハンディがある」との声も漏れた。【三森輝久、馬場直子】

 テストでは、ほぼ9割の都道府県が全国の平均正答率から上下それぞれ5%以内に収まり、文部科学省は「縮小傾向」と評価した。しかし、国語と算数・数学計8分類すべてで最下位となった沖縄県と、5分類でトップだった秋田県の正答率の開きは大きく、20%を超える科目もあった。また、上位には富山、福井各県が続き、下位には北海道、大阪府が位置した。

 沖縄県は88年度から学力向上に取り組み県統一のテストを行ってきた。しかし、沖縄県の仲村守和教育長は「成果が表れると思ったのに、まだだった」と話した。

 「本土と比べ経済的に余裕のない世帯が多い。教育にお金を使えないうえ、親が十分に勉強に気を配れない家庭環境が背景にあるのでは」。沖縄大の川井勇教授(教育学)は経済格差が原因とみる。沖縄県の失業率は7・5%(07年8月)で全国平均の倍近い。「学費が払えない」を理由に退学する大学生も毎年いるという。離婚率も人口1000人当たり2・68件で全国トップ(06年度)となっている。

 一方、秋田県は過去の全国学力テストで都道府県のうち40番台にとどまり、全国平均を上回ったのは音楽だけだった。24日記者会見した秋田県教委の幹部は「びっくりしている」「驚いた」ととまどいの表情を見せた。

 専門家は好成績の理由に、01年度から取り組む「少人数授業」を挙げる。秋田大の浦野弘教授(教育方法)は「1学級は20人前後で教育先進国のフィンランドと近く、目が届きやすい」と解説。また、「自習がきちんと成立し、学級崩壊がほとんどない。勉強に取り組む姿勢が確立している」と分析する。同大の佐藤修司教授(教育行政学)も「貧富の差が著しく、階層化が激しい大都会に比べ、家庭が比較的安定している」と述べた。







(10月25日8時0分配信 産経新聞)

全国学力テスト 東北躍進、近畿は低下 地域格差縮小、学力アップ



 今回の全国学力テストの成績を昭和30年代の大規模調査と比べると、40年間で都道府県格差が縮小し中位層が厚くなっていることが読み取れる。東北地方の躍進が目立つ一方、近畿地方は軒並み低下するなど順位的には変動が目立った。また、当時との同一問題で、「学力上昇」の傾向がでた。学習塾が学力を支えているとの指摘もあり継続した検証が必要だ。(小田博士)

 青森中央学院大の竹中司郎准教授が集計した36〜40年度の平均得点(沖縄県は返還前のため実施せず)と、産経新聞で換算した今回の成績を比較すると、国語、算数・数学の2教科合計成績が全国平均を5%以上上回った「上位層」は、かつては小中で11〜14都府県あったが、今回は3〜4県に減少。5%以上下回った「下位層」も13〜16県から2〜3道府県に減った。その分「中位層」は増加した。

 都道府県別では、かつては下位層を独占していた東北地方の上昇傾向が目立った。39〜43位だった秋田県は今回1〜3位に急伸。青森、山形の両県も大幅に順位を上げた。

 竹中氏は「東北の好成績は戦後、教員の指導が平均化された結果だ。ただ、問題はやさしく、通塾しない農村部の子供にも解きやすかった側面はあるだろう。得点分布が小さく、今後は順位が大幅に変動する可能性もある」と話している。

 一方、福井、富山の両県はトップ5を維持したが、上位層の常連だった大阪府はワースト3に転落。沖縄県が小中とも正答率が低く、北海道は低迷した。

 文部科学省は、これら道府県で正答率が低い理由は「分からない」としている。だが、沖縄県の場合、小学校では「円の面積」などに正答率が低いほか、記述式で無解答率が高かった。中学では家庭学習時間が少なかったり、宿題を出している学校の割合が低く、「基礎基本の定着と家庭学習の習慣化が弱い」(文科省)としている。

 一方、同一問題の前回との比較では、「魚をやく」(小6)の書き取りの正答率は33・8%(抽出)から70・9%に37・1ポイント、「おもしろみがハンゲンした」(中3)も26・9%から67・2%へ40・3ポイントも上昇した。数学でも、中3の連立方程式も53・4%から72・7%に上がった。










最下位脱出へ 苦悩の沖縄


1年生の児童を前に絵本の読み聞かせを行う保護者。読解力向上がねらいだ(浦添市の仲西小で) 全国最下位だった沖縄県関係者の思いは複雑だ。

 「全国平均くらいは取れるのではないかという思いがあった。ショックだ」

 先月の全国学力テストの結果公表を受けた、沖縄県の仲村守和教育長(59)の弁だ。淡い期待の背景には1988年度から取り組んできた学力向上対策がある。

 特異な歴史を歩んできた沖縄県は、全国最下位の県民所得や全国最高の失業率や離婚率といった社会問題とも相まって、学力水準の低さに長年あえいできた。本土復帰前の1964年に行われた全国学力テストでも、県平均点は「ビリから2番目の背中さえ見えない状態」(県教育庁義務教育課)。それだけに学力向上対策は県の主要政策課題と位置づけられてきた。

 これまでの施策は基礎学力向上に重点が置かれてきた。最大の柱が、小学6年と中学3年の全員を対象にした達成度テスト。国語と算数・数学で毎年12月に実施。学校単位での授業の改善に役立ててきた。授業でも、計算や漢字のドリル学習、読書が重視された。

 成果は達成度テストには出ていた。ただ、平均点を比較すると、小学生は89年に50点満点で31・9点だったのが昨年には41・0点、中学生は28・8点から32・4点と、小中に差がある。





 今回の全国学力テストと一緒に行われた学習状況調査でも、授業以外の勉強時間が1時間未満の割合は、小学生では全国平均を下回ったが、中学生は45・1%と全国平均(34・8%)より10ポイント以上多かった。

 大人社会でも酒席が多く、「夜型社会」とも言われる沖縄。中学生の深夜はいかいや飲酒での補導数も多く、家庭での学習時間の不足が学力の伸び悩みに直結してきたとの指摘も強い。

 学校も手をこまぬいているわけではない。浦添市の住宅街にある仲西小学校では、家庭学習ノートを全児童に提出させ、5冊ごとに高良守校長(57)がパソコンで作成した児童の顔写真入りの賞状を手渡したり、校長室に飾ったりしている。まず小学校で習慣づけを、というわけだ。

 その結果、今回の調査で、授業以外の勉強時間が2時間以上の児童の割合は32・2%と全国平均の25・5%を上回った。全国学力テストの結果も全国平均に近い数字となっている。





 今月5日、仲村教育長は文部科学省を訪ね、小規模校への教員の増員や、学力サポーターとしての教員OB配置のための予算増を要請した。県教委は、達成度テストの内容や授業内容の見直しも検討。県立高校入試の問題の難易度を向上させる案も浮上する。

 「20年間で一定レベルまで持ってきたという思いがある。我々の取り組みは道半ばだ」と仲村教育長。正答率の分布では、全国に比べて中位の正答率の児童生徒が多く、下位の比率はほぼ変わらない。上位陣の少なさと知識の活用力を問うB問題での不振が平均点を下げる要因となっている。

 県教委は、基礎力向上一辺倒から応用力の養成にカジを切ろうとしている。ただ「基礎あっての応用力」との声も現場では根強く、先行きは不透明だ。(宮本清史、写真も)

 沖縄県の全国学テ成績 今回の全国学力テストでは、知識を問うA問題、活用力を問うB問題とも、小中学校の国語、算数・数学のすべてで全国最下位だった。小学校では全国平均との差は5〜9ポイントだが、中学校ではさらに開いた。特に中学校数学の正答率は、A問題で57.2%(全国平均71.9%)、B問題では47.6%(同60.6%)と、10ポイント以上の差になっている。

(2007年11月16日 読売新聞)








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